
About
フランス料理を、ふだんの夜に。
当店が「コースではなくアラカルト」を選んでいる理由から、お話しします。
フランス料理は、食べる機会の少ない料理です。ハードルが高いというイメージも、当然あると思っています。当店がコースを必須にしていないのは、そのハードルを下げるためです。
ただ、当店はフランス料理を簡略化したいわけではありません。むしろ逆です。フランス料理のいちばん優れた点は、多種多様な文化を取り込んでいくところにあると考えています。
気軽に入れる店にしたい。
出すものは、気軽にしない。
多種多様な文化を取り込んでいくという考え方は、とても日本的だとも思うのです。だから当店では、新しいジャンル、新しい味覚、新しい食体験を組み立てていきたいと考えています。
シェフについて
当店のシェフ・赤井 那央登は、16歳のときに焼肉店のアルバイトから飲食の世界に入りました。近江牛を扱う店で、素材と手仕事の両方に触れたのが最初の経験です。その後、焼鳥・しゃぶしゃぶ・弁当と現場を変えながら働き、一度は学校の教員を志して大学に進みましたが、休学を経て調理師学校に入り直しました。
卒業後は東京のホテルのレストランに入り、フランス料理を学びました。師事したシェフは、ミシュラン2つ星の現場を経験し、エスコフィエ会に所属する料理人でした。その後、大阪に戻り、町場のイタリアンとカフェで経験を重ねました。
「修業先で言われて、いちばん残っている言葉があります。
作る側を、食べる側が見たとき。
その作る側が不安そうな顔をしていたら、味に出る。
不安は隠しても、皿に出てしまう。だったら隠せない場所に立ち、見られても胸を張れる仕事をしようと決めました。厨房と席のあいだに壁を作らなかったのは、そのためです。」
paté-kan という名前について
店名の paté-kan は、パテ・ド・カンパーニュから取っています。
シェフはもともとフランス料理の出身で、その後イタリアンなど幅広いジャンルを経験してきました。改めて本格的にフランス料理をやると決めたとき、ひとつ引っかかっていたのが「満足できるパテ・ド・カンパーニュに出会ったことがない」ということでした。
フランス料理に身を置くなら、そこを超えてから始めたい。そう決めて取り組んだ結果が、いまお出ししている一皿です。
手法は、分解と再構築です。材料や工程をいったんばらして、組み立て直しています。見た目は違うけれど同じ味。同じ味だけれど見た目が違う。形そのものが特徴的な一皿になりました。
キッチンと、サービス
当店は、シェフとサービス担当の夫婦2人で営んでいます。キッチンとサービスで役割を分けているのは、12席を最後まで見届けるためです。
キッチン
何が入っているか分からないまま召し上がっていただくことがないように、一品一品ご説明いたします。
料理の背景をお話しすることもあります。カウンターは、そのやり取りのためのお席です。

サービス
グラスの残り、会話の流れ、次の一皿のタイミング。お席の様子を見ながら動いています。
ワインは、お料理やお好みに合わせてご相談に応じます。
ご自身のペースで楽しみたい方には、お声がけを控えめにいたしますので、お気軽にお申し付けください。

12席のつくり